JAグループ高知は、TPPについて、参加すれば社会・経済に大きな打撃を与え、地域を疲弊させ、さらに国民の暮らしを一変させてしまうという強い危機感のもと、さまざまな参加反対活動を行ってきました。
その一環で、10月20日に、一次産業や消費者、医療、行政などのTPP参加に反対する8団体とともに、高知市文化プラザかるぽーとで、「TPPの問題を考える高知県民集会」を開催しました。
関税の撤廃による農業への影響だけでなく、金融や保険、医療などのあらゆる分野の制度を変えて、わたしたちの生活を一変させる恐れのあるTPP。そのTPP交渉は今どうなっているのか、参加したらどうなるのかなどを知るための集会で、当日は主催団体だけでなく県民の皆さんにも参加いただき、約1000人の来場者となりました。
集会のメインとして、東京大学大学院の鈴木宣弘教授を講師に迎え、「真の国益とは何か~水面下で進むTPP~」と題した基調講演をしていただきました。
鈴木教授はTPPについて、「工業品も食料品も低い関税で、食糧の海外依存度が60%にも達するほどに世界で最も「開国」された我が国において、さらに「開国」を徹底するというTPPは国家存立の「最後の砦」を自ら明け渡すようなものだ。TPPと「強い農林水産業」は両立しない。地域社会が崩壊し、国土が荒れ果てる中、安全な食料を安く大量に買い続けられると信じて突き進むのが、日本の将来のあるべき姿なのか。輸入牛肉の月齢制限、遺伝子組み換え食品の表示義務の撤廃をはじめとする食品安全基準の緩和、公的医療保険の崩壊、外国人雇用の増大など国民生活の根幹に関わる問題を国民に説明せずに、「農林水産業の体質強化策を準備すればTPPに参加できる」かのような問題の矮小化は許されない。日本の産業構造、雇用、国民生活に激変をもたらすかもしれないTPP問題の本質を開示し、ゼロか100かの極論でなく、現実的で適切な選択肢はその中間にあることを冷静に見極め、米国との関係に配慮しつつ、アジアとEUとの互恵的な経済連携強化を当面の軸とした長期的な国家戦略を議論すべきだ」との主張をされました。
政府の対応については、「国民への情報開示も国民的議論もしないまま、不意打ちで交渉参加に滑り込もうとしている」として、「TPPへの参加はきわめて慎重を要する国家的課題で、正確な情報を共有し、じっくりと時間をかけた国民的議論なしに参加表明するのは、日本の将来に禍根を残すことになる」と批判しました。
また、賛成派の方々の「交渉に参加してみてだめなら途中で抜ければいい」という主張に対し、「まず交渉に参加するには「すべて何でもやります」と宣言しないと入れず、ホールドアップ状態で参加することになる。そんな状態で入っておいて日本の主張を通すことはかなり難しいし、そこから交渉を抜けるのも国際的な信用から厳しい」などの反証もされました。
最後に「狭い範囲の一部の利益に基づいて参加してはいけない。すべての努力を水の泡にしかねないTPPの議論を正常化させるために、いっしょに頑張ろう」と参加者に呼びかけました。
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